電源地帯に生息する野草たち・・・福島県阿武隈山系

 

 

電源地帯に生息する野草たち・・・福島県阿武隈山系

 

福島県浜通り地方は、阿武隈山系の山々そして、青空の明るい光線に映える海の美しい海面に囲まれた大自然がある。

生まれ育った土地で折々触れた草花は、遠い祖先の時代から、人類の大切な財産として、自然の憧憬として伝承し親しまれて来た。

日本でも屈指の澄みきった夜空を仰げる広野町は、電力立地町として、美しい星空まで届けとばかりに空高くそびえ立つ二本のエントツを望むことが出来る。

その地域で暮らす人々にとって、春夏秋冬を通して四季折々の草花は、生きるなかでかけがいのない大切なものである。

私は、幼少の思い出に、陽光眩しく新緑、紅葉が美しい山々、色鮮やかに美しい草花の輪郭が心に残る。

生まれ育った山と歩いて海へ行けるのどかな平地、大海が広がる砂浜でよく遊び、寄せては引く波間の側に咲く黄色い花を、山裾に咲く赤い花をわけもなく、飽くることなく眺めていたこと覚えている。 

素晴らしい自然環境は、何も変わることなく今なをその姿を留めている。

小学生夏休みの宿題は、四人姉弟決まって「押し花採集」作りに励み、毎日押し花新聞の交換をした思い出が蘇る。

作品が残っていないのが、残念だ。

花はどうしてこんなにきれいな色をしているんだろう。

蝶々は花にとまって何をしているのだろうと思った。

不思議なことがたくさんある。

今、こうして親として我が子の表情を伺い覗いて見ると、昔の幼心が蘇るような面持ちになる。

娘が呟いた。

「石を投げれば遠くに飛ぶが、しだいに落ちてくる。

どうして上に上がらず下に落ちてくるのか。

それでいながら、空を見上げると月が浮いていて落ちてこないのはどうしてだろう。」

息子が言った。

「僕は、お空を飛びたい。

飛行機のように。」

今でも、いつも見ていることでも、ちっと考えてみると分からないことがたくさんあるのに気づく。

たくさん分からないことのうちから、一つか二つ、ああ、そうかと考えつくことがあって、

そんなときは大変嬉しかったことを思い出す。

途中でやめてしまわずに、いつまでも時々考えてみることが大切である。

そして今、なぜだろう、そして気づくことが大切であることを子供たちから教えられるこの頃である。

息子に言った。

「見て感心しているだけでなく、自分で飛んでみようと思った人がいた。

落ちてけがをした人もいるし、命を落とした人もいる。

グライダーみたいなものを作って飛んだ人、プロペラをつけてエンジンで回して飛んだ人がライト兄弟だった。

凧でも作って飛ばしてみよう。」

「竹トンボはどうして飛ぶの。

鳥は、飛ぶときプロペラを回さず飛んでるよ。」

「鳥は、羽を動かして飛ぶんだよ。」

子どもたちに、ノートに書き記すことを教えることが出来た。

彼らにとって、大切な記憶の財産になるであろう。

私が学生の頃、父が阿武隈山地のかなた会津の里に仕事で赴任したことがあった。

素晴らしい自然環境のなかで、土地のいろいろな方々と出会い人情に触れた。

山々を折々散歩し、万葉集に詠まれている春と秋の七草など探し歩いた。

この思い出は、以前に会社内の社内報に掲載して頂いた。

春のものは、食用のものが多く、秋のものは、美しく鑑賞するものだとその時知った。

今宵鑑賞できる秋の七草は、「ハギ」「ススキ」「クズ」「ナデシコ」「オミナエシ」「キキョウ」「フジバカマ」である。

「フジバカマ」は、会津地方でも、その後、浜通りでも観ることはできなかった。

広い自然の中で、人々は互いに感応し合い、花を観て、色や形がいかに美しく多様なものだと感動した。

阿武隈山系の電源地帯に生息する陸生生物の植生、野草として、今なお変わらず残る自然の姿を見つめ、未来へ向けて環境を護りたいと思う。

現代において環境が問われるということは、人間は、自然と社会との接する中で、壊れてから動くのではなく、人類生存の歴史に学び、環境保護に直視し続けることだと思う。

双葉の電源地域は、エネルギー供給地の継承と豊かな自然の継承は相等しく、地域住民が、美しい自然、美しい町並、美しい安全な発電所を子孫へ託そうと、みんなで手を取り合うことだと考える。

 

福島県内90市町村の象徴的な「花」は、昔、祖先が慈しんだ原風景を偲ぶことができ東北地方福島県の市町村に生息する植物についてのアウトラインを窺い知ることが出来ると思う。

福島県 ネモトシャクナゲ

〈双 葉〉         〈いわき〉          〈信 夫〉

広野町  ヤマユリ     いわき市 ツツジ       福島市  モモ

楢葉町  ヤマユリ 〈相 馬〉           飯野町  サクラ

富岡町  ツツジ      相馬市  サクラ ハマナス キキョウ サザンカ 川俣町  ヤマツツジ

川内村  サラサドウダン  新地町  サクラ      〈伊 達〉  

大熊町  ナシ       鹿島町  マルバシャリンバイ     桑折町  モモ

双葉町  サクラ      原町市  シラユリ      伊達町  モモ

葛尾町  ツツジ      小高町  コウバイ      国見町  モモ

浪江町  コスモス     飯館村  ヤマユリ      梁川町  サクラ

〈田 村〉         〈安 達〉           保原町  モモ

 三春町  サツキ      二本松市 キク        霊山町  リンドウ 

 小野町  ツツジ      安達町  ユキヤナギ     月館町  ヤマユリ

 滝根町  リンドウ     大玉町  サクラ      〈岩 瀬〉         

 大越町  ツツジ      本宮町  ボタン       須賀川市 ボタン

 常葉町  ヤマツツジ    白沢村  ヤマザクラ     長沼町  ヤマユリ

 船引町  サクラ      岩代町  ツツジ       鏡石町  アヤメ

 都路村  スズラン     東和町  ヤマツツジ     岩瀬村  リンドウ

〈石 川〉          郡山市  ハナガツミ     天栄村  リンドウ

 古殿町  ヤマユリ    〈西白河〉          〈東白川〉

 石川町  サクラ      白河市  ウメ        棚倉町  ツツジ

 玉川町  ヤマザクラ    西郷村  ミズバショウ ヤシオツツジ  塙 町  ヤマツツジ

 平田村  タンポポ 中島村  サツキ       矢祭町  ツツジ

 浅川町  サギソウ     矢吹町  シュンラン     鮫川村  ヤマユリ

〈北会津〉          表郷村  フクジュソウ   〈耶 麻〉

会津若松市   タチアオイ    東 村  ツツジ        喜多方市   サツキ ツツジ  

北会津村   ツキミソウ    大信村  ヤマユリ 熱塩加納村   ヒメサユリ

 河東町  キク       泉崎村  サツキ        北塩原村   ミヅバショウ

 磐梯町  リンドウ                    塩川村  ハナショウブ

猪苗代町   サギソウ                    山都町  シャクナゲ

〈両 沼〉         〈南会津〉           高郷町  ヒメサユリ  会津坂下町 キク        田島町   ヤマツツジ    西会津町   オトメユリ

 湯川村  アジサイ     下郷町   フジ

 柳津町  キリ       館岩村   シャクナゲ

会津高田町   アヤメ      伊南村   サクラ

 本郷町  ヤマツツジ     桧枝岐村    ミズバショウ

 新鶴村  キク       南郷村   ヒメサユリ

 三島町  オオヤマザクラ     只見町   コブシ

 金山町  コブシ      

 昭和村  サユリ

 

父と幼いころから散策した当地域に生息する山々の野草の記録が、四百種類ほど残っている。

福島県阿武隈山系の電源地帯に生息する野草として、祖先の時代から変わることのない自然の憧憬に学びたいと思う。

野草の散策について御親交を頂戴する望月 流雲さんは、お住まいは富岡町内であり、福島第二原子力発電所内にお勤めされていらっしゃった頃の発電所内に咲く美しいサルスベリはじめ、多くの野草の写真をお見せいただいた。

 

 

               (写 真)  

 

 

 

広野町の二ッ沼総合公園内には萬葉歌が歌碑に刻まれている。

歌人が慕う豊かな双葉地方の野草を、望月 流雲さんの写真の記録により、四季折々の中で人を思う萬葉の歌に因みながら萬葉の花、野山に咲く花について幾つか記したいと思う。

 

【 萬葉の花 】

彼岸花(壱師)       ヒガンバナ 科 

                      季節 〜 秋    花色 〜 紅色

             堤防や路傍などに群生する多年草。

             高さ30?から50?ほど、葉は厚く光沢があり軟らかい。

             花は、秋の彼岸頃、鱗茎1個に1本ずつ茎を直立し、茎端に有柄の真紅の美しい花を数個、水平に開く。

             雌しべ、雄しべも花被片より長く突出する。 

鱗茎は、アルカロイドを含み有毒。

和名は、秋の彼岸の頃咲くため。

別名、マンジュシャゲ。

 

― 路の辺の壱師の花のいちしろく

               人皆知りぬわが恋妻を   柿本人麻呂 ―

              路のほとりに咲いている壱師の花のように、はっきりと人に知られてしまった。

             私の恋しい妻のことが」 

            〜 「いちしろく」とは、著しいという意味でよく目立つことを言う。

            「いちし」の花が今日の何の花であるかは定説がない。

            彼岸花は、田の土手などに直立して燃えるような真っ赤な花を咲かせる。  

            その様は、とても人目を引き「いちしろく」と言うにふさわしい花である。 〜

 

ススキ(尾花)       イネ 科 

季節 〜 秋    花色 〜 白色      

             日当たりの良い路傍や山野に生える大型の多年草。

             高さ100?〜150?ほど。

             束生し根茎は短い。

             線形の葉が2列に生じ、質硬く、縁で手も切れる。 

             秋、茎頂に細長い花穂を出す。

             白色を帯びる。

             花穂をオバナといい、秋の七草の一つ。

             和名は、すくすく立つ木という。

             日本各地。南千島、朝鮮、中国に分布する。

              ― 秋づけば尾花が上に置く露の

                消ぬべくも吾は思ほゆるかも   日置長枝娘子 ―

 

「秋になると尾花の上に置く露のように、消えてしまいそうにも私は思われます。」    

 

             〜 尾花は、秋の七草の一つとされる。

野原や川べりに穂を出したススキが風になびく姿を見ると秋の風情を感じる。

「尾花が上に置く露」とは、露はずくに消えてしまう、はかなさをたとえている。

ススキの上の露では、なおさらである。

大伴家持を思ってのことか、思い慕い続けることが消えてしまいそうな心の痛みを歌っている。 〜

ツユクサ(鴨頭草)     ツユクサ 科

季節 〜 夏    花色 〜 紫色

             道ばたや荒れ地に生る一年草。

             茎の下部は、地面を這い上部は斜上し高さ30?ほど。

             葉は、披針形で互生する。

             花は夏、枝の先に二つ折りにたたまれた包一個を付け、中から青い三弁花を外に出して一花ずつ開く。

             花弁三つの内、下部の一枚は白くて小さい。

             六本の雄しべの中で二本が飛び出し完全である。

             日本各地。アジアに広く分布する。    

 

              ― うち日さす宮にはあれど鴨頭草の

移ろふ情わが思はなくに   作者未詳 ―

 

             「きらびやかな宮廷に私はいるけど、鴨頭草のように

移り気な心を私は持っていません。」

             〜 青い花は鴨頭草と表され、衣を摺り染めにした。

             色があせやすいことから、「うつろふ」の枕詞に用いられ

ている。 〜

             宮仕えする女の身はとかく誘惑が多いが、恋人への愛はさめることはない。 

 

タデ(蓼)         タデ科

                 季節 〜 夏、秋  花色 〜 紅赤

           道端や草地に見られる一年草。

子供の頃、ままごとに遊びに使いアカマンマと呼んだ。

葉は、細長く先がとがり緑や裏には毛が生えている。

           タデには辛味成分があるが、イヌタデにはないので食用にならず無用のものとされた。    

 

             ― わが屋戸の穂蓼古幹採み生し

実になるまでに君をし待たむ   作者未詳 ―

 

            「わが家の穂蓼の古い茎から実を取って蒔き育て、また実がなるまでだって、あなたを待ちましょう。」

〜 タデの実「穂蓼」を摘んで種を蒔き、次の穂が出て実を結ぶまであなたのことを待ちましょうと、せつなくそしてけなげな恋心を詠んでいる。 〜 

 

 

フタリシズカ        センリョウ科

                   季節 〜 春  花色 〜 白

           山野の林中に生える多年草。

茎は直立、高さは30?ほど。

上部に4枚の楕円形の葉を対生する。

茎の先に普通は2本の花穂を出し、白色で花被のない花を

咲かせる。

 

― つぎねふ山城道を他夫の馬より行くに

己夫し歩より行かば見るごとに哭のみし泣かゆ・・・ 作者未詳 ―

 

            「つぎねふ山城道を、他の夫か馬で行くのに、わが夫は歩いて行くので、見るたびにひどく泣かれてしまう。

             それを思うと心が痛い。

             たらちねの母の形見として私の持っている真澄鏡をともに背負って市へ持って行って、馬を買えよ、わが夫よ。」

〜 険しい山道をよそに夫たちは馬に乗って行くのに、私

の夫はとぼとぼと歩いて行く。

大事な物を売ってでも馬を買ってあげたいという妻の長歌である。

葉の間から出ている二本の白い花穂は、寄り添っている二人の静けさのように佇み、旅のわびしさを誘う。 〜

 

【 野山に咲く花 】

 

サギソウ          ラン 科

季節 〜 夏    花色 〜 白色

             花の様子がシラサギを思わせる姿に似ていることから付いた。

             本州、四国、九州の山野で日当たりの良い湿地に生る多年草。        

             高さ30?〜40?ほどで直立。

             夏に茎頂に2〜3個の清潔な白色花を付ける。

             日本の名花として鑑賞用として用いられる。

 

タンポポ(アズマタンポポ)  キク 科 

季節 〜 春    花色 〜 黄色

             道端や原野に普通に生る多年草。

根生葉は、早春より束生、葉間に葉より短い花茎が直立、

高さ15?〜30?ほど。

             頂に、黄色の舌状花よりなる頭状花を付ける。

             毛が密生するが後でなくなる。

             冠毛は白色。

             葉を食用、根を健胃剤に用いる。

             日本各地に分布する。 

 

スズラン          ユリ 科

季節 〜 春    花色 〜 白色

             高原や山地に生る多年草。

             地下茎で増え、細長。

             高さ15?〜20?ほど。

             葉は2枚、花茎とは別に立ち、長楕円形で先端が尖り、

濃緑色、裏はやや白い。

花は、4月〜6月、白色花を10個、総状花序、芳香。

栽培種は、ヨーロッパ原産のドイツスズラン。

和名は、花形を鈴に見立てたもの。

南千島、北海道に多く、九州までの山に分布する。

 

イカリソウ         メギ 科

季節 〜 春    花色 〜 淡紅色

             丘陵や山麓などの樹の下に生る多年草。

             地下茎は、でこぼこ屈曲し、多数のひげ根がある。

             茎の高さは、高さ20?〜40?ほど。

             根出葉は束生長柄、3回3出複葉、小葉は長楕円形。 

 4月頃、茎の先に総状花序を出し、数個の淡紅色の花を下向きに付ける。

             花弁は4枚。

             花の形がいかりの様。

             本州近畿以北の太平洋、四国に分布する。 

 

福寿草           キンポウゲ 科

季節 〜 初春(冬) 花色 〜 黄色

             山地の樹陰に生る多年草。

             栽培種。

             1月から2月に径3?〜4?の黄色花を一個付ける。

             花弁は20個から30個。茎は花期には短いが、やがて高さ

20?〜30?ほどになる。

             根茎は太く、短く、多数の根を出す。

             葉は、長柄で互生。

             新年を祝う花として、元旦に用いるのでガンジツソウの名がある。

             北海道から九州。東アジア冷温帯に分布する。 

 

二輪草           キンポウゲ 科

季節 〜 春    花色 〜 白色

             山地の木陰に生る多年草。

             地下茎は太く短い。

             根生葉は束生し、長柄。

             総包葉から長い花柄を1本〜3本ぐらい出し、20?〜30?の先に花弁状の白色、赤色の5個の花を付ける。

             花弁はない。

             和名は、普通2個の花をもつことの意。

             日本各地。サハリン、中国に分布する。            

 

ヤマブキソウ(クサヤマブキ) ケシ 科 

季節 〜 春    花色 〜 黄色

             山野の木陰に生る多年草。

             高さ30?ほど、茎葉に黄汁を含む。

             根生葉は長柄、長さ30?ほど、羽状複葉、小葉は5個〜7

個、

短柄。

4月〜5月頃に葉脈に1個〜2個、黄花が咲く。

和名は花の形と色がヤマブキに似ることによる。

本州から九州、四国に分布する。

ホトケの座         シソ 科

季節 〜 春    花色 〜 赤紫色

             道端に見られる二年草。

高さ20?〜30?。

             葉は、茎の下部は有柄、上部は無柄、扇状円形。

             花は、4月〜6月頃。

             春の七草のホトケノザはコオニタビラコで別種。

             和名は、花の葉を仏の蓮華座に見立てたことによる。

             本州以南。ユーラシア大陸、北アフリカに分布する。

 

一輪草(イチゲソウ、ウラベニイチゲ) キンポウゲ 科 

季節 〜 春    花色 〜 白色

             山裾の草地に生る多年草。

             根茎は横に這いところどころ肥厚する。

その先端より茎を1本ずつ出し、高さ20?〜30?、

細く長い。

             根生葉は長柄、包葉は柄があり3輪生で3出葉。

             葉は4月頃、包葉の中央から花柄を出し、白色の5学片、                   

             花弁状で花弁はない。

             和名は、柄の上1個の花が付くからである。

             本州、四国、九州に分布する。

 

サクラ草          サクラソウ 科

季節 〜 春    花色 〜 紅紫色

             川原や山地、原野の湿地に生る多年草。

             地下茎は短く這う。 

             根生葉は束生、長柄。

             4月から5月に高さ15?〜30?の花茎を直立し、茎頂に紅紫色の花を散形状に付ける。

             花柄は長く、5裂花。

             北海道の南部、本州、九州。朝鮮、シベリアに分布する。 

 

水仙            ビカンバナ 科

                      季節 〜 春    花色 〜 紅紫色 

             暖地の海岸に自生するが、栽培種であり、多年草。

             葉は晩秋より伸び、4片から8片、15?ほどで多開である。

             花は、3月頃に咲き、花茎高さ20?〜30?、5個から6個の花を横向きに付ける。

             花被は白色で6個、基部が合着し、長さ1.8?〜2?の筒状になり、花は平開し、副花冠は0.4?ほどで黄色。

             雄しべ6個、長さ0.3?ほど。

             果実は付けない。

             水面に映った自分の姿に恋いして死に、この花が咲いたことから名づけられた。

地中海、中国の原産。

             関東南部以南に分布する。  

 

オドリコ草(クチビルバナ) シソ 科

                  季節 〜 春    花色 〜 白色から淡紅色

             山野や道端の半日陰の草むらに群生する多年草。

             茎は四角で軟らかく高さ30?〜50?、節には長毛がある。

             葉は有柄、対生、有毛。

             花は白色から淡紅色で花冠は長さ3?〜4?、

             葉に数個付き4月から6月に咲く。

             和名は花を笠に付けて踊る人に見立てた。

             北海道から九州。朝鮮、中国など東アジアの温帯から暖帯に分布する。

春欄(ホクロ)       ラン 科

季節 〜 春    花色 〜 淡黄緑色

             山林の乾燥した林内に生る常緑の多年草。

             葉は束生、長さ20?〜40?。

             花は3月から4月頃1本の茎に淡黄緑色の1花を付ける。

             栽培種は黄色、紅褐色、斑入りなどがある。

             唇弁は側花弁より短くそり返り、紫色の斑点がある。

             日本の各地。朝鮮、中国に分布する。

 

あやめ            アヤメ 科

季節 〜 夏    花色 〜 紫色

              山地の原野に生る多年草。

高さ30?〜60?、葉は長さ30?〜50?。

              葉は初夏に花茎を立て、頂に紫色の花を2花から3花付ける。

              しかし、1日でしぼむ。

              内花被は小さく直立し、外花被は大きく広がって垂れる。

              和名は文目の意味で、葉の並列する様子が美しいあやがあると考えた。

              日本各地。朝鮮、中国東部、東シベリアに分布する。

 

 

ノカンゾウ ユリ 科

季節 〜 夏    花色 〜 赤色

              原野や湿地に生る多年草。

              冬には地上部が枯れる。

              根は赤黄色でときに先端の一部が多開のかたまりが付く。

              春先に葉を多数重ね合わせて2列の束生。

              片側を向き、中脈はへこむ。

              夏に高さ70?ほどの太い茎を葉の間に立て、先端が二分

し径7?ほどの花が下から順に上向きに開く。

花は赤色でユリ型、内花被片3は中央が白っぽい。

和名は野甘草で中国の甘草に類することによる。

本州、四国、九州。中国に分布する。